冬の気温の低下や降雪などにより、車は思いがけず色々なトラブルに見舞われるものです。そういったトラブルを回避するために、冬前にやっておきたい車の点検やメンテナンスがあります。
■バッテリーの劣化具合
バッテリーのチェックポイントの1つ目は「寿命」です。バッテリーの上部や本体には製造年月日が刻印されているので、確認しておきます。バッテリーの寿命は約2〜5年なので、寿命か近づいていたら交換する必要があります。
2つ目は「バッテリーの液量」を確認することです。バッテリー本体の外側に目盛りがついており、液が少ない場合は交換しておいた方が無難です。
3つ目は「電圧」です。電圧を測定するには専用の機械が必要となるのでカー用品店やガソリンスタンド、整備工場などでチェックをお願いしてください。また、一度でも過去に上がったことがあるバッテリーは消耗しやすいので、冬前の交換をおすすめします。
バッテリー上がりに備えて、ブースターケーブルの使い方など応急処置の仕方を覚えておくと良いでしょう。
■エンジンオイルの粘度
エンジンオイルは、気温の低下により硬くなって機能が低下しやすくなります。ただ、外の気温が低くても硬くなりにくい寒さに強い種類もあります。
エンジンオイルの粘度は「10W」といった表記で、Wの前の数字が小さいと寒さに強いオイルとなります。例えば5Wだと−30℃まではオイルの凝固を防ぎます。そのため、寒冷地の居住もしくは行く予定がある場合は冬が来る前に、10W以下の冬用のエンジンオイルに交換しておくことをおすすめします。
エンジンオイルの劣化具合は、エンジンオイルのタンクに差し込んであるオイルレベルゲージを見ればわかるでしょう。一度引き抜いて拭いてから再度差し込み、下限ライン近くにオイルが付着すると液量に問題があります。また、オイルが茶色もしくは黒く濁っている場合はかなり汚れて劣化が激しいので、交換するのがおすすめです。
■ウォッシャー液の濃度と量
ウォッシャー液は、気温が氷点下になると凍って噴射できなくなります。
よく原液を水で薄めて補充する方がいますが、冬になると簡単に凍ってしまいます。車やウォッシャー液の取扱説明書などで、どのぐらい薄めても良いか記載があるので確認しておいてください。
ただし、冬前は凍結を防ぐためにも、ウォッシャー液は濃度を濃いめにして、できれば原液のまま補充しておくことをおすすめします。また、カー用品店では寒冷地専用のウォッシャー液もあるので活用しても良いでしょう。
冬になるとウォッシャー液を使う機会も多いので、液量を確認しておくことも大事です。ウォッシャータンクは半透明で外側から液量が透けて見えるため、目視で確認できます。液量が半分以下なら補充しておかなければなりません。
■冷却水の濃度と量
通常、冷却水は凍結防止のために添加物が入っています。添加物の濃度が高いと、その分凍結しにくいのです。
通常は、30〜50%の濃度で添加物が混入されています。一般的に50%の濃度なら、−36℃までは冷却水が凍結しないとされています。外気温がかなり低い場合は、添加物の濃度が高い冷却水を入れてもらうことをおすすめです。
また、冷却水の液量はタンクの外側の目盛りで確認できます。上限ラインと下限ラインの間に液があれば量は問題ありません。半分以下なら補充の必要があります。下限ラインに近い場合は減りすぎなので、漏れていないか確認してもらった方が良いでしょう。
■スタッドレスタイヤへの交換
気温が低下し、冬が近づいてきたら道路の凍結が始まる前にスタッドレスタイヤを準備しておいてください。スタッドレスタイヤは摩耗しやすいので、すり減っていないか、溝が残っているかをまず確認しておかなければなりません。
スタッドレスタイヤは3年〜5年程が寿命だとされています。ただし、走行距離などによって個々のケースで寿命は異なります。スタッドレスタイヤの溝が新品と比べて半分以下にまですり減っていたら、交換のタイミングです。
スタッドレスタイヤの溝にはプラットフォームという専用の小さな突起がついており、プラットフォームが露出するとスタッドレスタイヤとしての性能が発揮できません。タイヤはすり減るとスリップサインがタイヤの表面に出てくるので、見えてきたら交換のサインとなります。
■ヘッドライト等の点検とバルブ交換
冬になると日出時間が遅く、日の入り時間が早いため日が短くなります。辺りが暗くなる時間も早まるため、ライトを点灯させる時間も長くなるでしょう。
ヘッドライトなどの灯火類にも寿命があり、電球が切れて点灯しなくなることもあります。ただし、街中を走行していれば街灯が明るいので、ライトが球切れしていても気づきにくい場合もあります。ライトの球切れ整備不良で道路交通法違反となり、取り締まりを受けるかもしれません。
点灯するか、ライトカバーに傷がないかを確認しておいてください。
■エアコンのフィルター交換
寒くなるとエアコンを使って車内を温める機会が増えますが、久しぶりにオンにして送風口からカビ臭い風が出てくるというトラブルがあります。
エアコンはエアコンフィルターを通して風が送られてくるため、フィルターにカビや汚れが付着し、それが臭いの原因となっているのかもしれません。
また、温風にしているのに効きが悪くなかなか温かい風が出てこないというトラブルもよく起こります。それは、フィルターに埃がついて目詰まりしている可能性もあります。
そのため、本格的な冬が始まる前にエアコンのフィルターを確認し、新しいものと交換しておくと良いでしょう。